不登校児童に安心安全な居場所が必要な理由

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NPO法人ターサ・エデュケーション代表理事の市村です。
私たちは2015年7月より「子どもの可能性をフェアにする」をミッションとし、群馬県内で貧困や不登校などの課題を抱える子どもたちの自己肯定感・意欲・社会性を育むため、居場所と学習機会を提供する活動を行なっている教育NPO法人です。それぞれの課題に向き合った5つの活動に取り組んでいますが、フリースクールの運営に代表される不登校支援事業に最も注力しています。

今回の記事ではタイトル通り、不登校児童に安心安全な居場所が必要な理由について書かせていただきます。

皆様もご承知のとおり、不登校児童生徒数は少子化が進行する中でも年々増加傾向にあり、私たちが活動を開始した2015年は126,009人でしたが、2023年には299,048人と約2.4倍に増加しています。特に2020年から 2021年にかけての増加率は過去最大であり、歯止めが効かない状態となっています。群馬県内においても4,382人(2023年)となっており、全国同様に過去最多を更新しています。

不登校になる要因は勉強のことや友だちのこと、先生のことや家庭のことなど多岐にわたり一人ひとり異なります。不登校になった場合、学習機会が失われるだけではなく、自宅にひきこもるなど他者との交流機会も失われます。さらには学校に行くことができない自分を卑下し、自己肯定感や意欲が低下し、何事に対しても前向きに取り組めない無気力の状態となってしまいます。

不登校になる要因は学習や人間関係の悩みなど多岐にわたりますが、学習や人間関係の悩みは不登校になる子どもたちだけが特別に感じるものではありません。

ではなぜ不登校になる子どもとならない子どもがいるのでしょうか?
私たちは「子どもが抱えた悩みを相談しやすい環境があるのか?」が1つのポイントであると考えています。

悩みを抱えたときにその話を受け止め聞いてくれる人の存在は大きなものです。
子どもにとって多くの場合、その存在は親だと思います。
親に悩みを相談し、応援してもらうことで「また明日から頑張ろう」と子どもは思えるのです。

ただ相談を受け止めるためには親自身に精神的な余裕が必要です。
現在、共働き家庭やひとり親家庭が増えています。多くの保護者の方々は日々忙しい日々を過ごされています。
さらには物価高高騰の影響によって、経済的な不安を抱えている方も少なくありません。
結果として、心に余裕を持つことが難しくなっていく。

親自身がいっぱいいっぱいで余裕がなければ、子どもはその様子を感じ取り相談することを躊躇してします。
子どものことを想っていたとしても、そのような状況化では子どもが相談しやすい家庭環境をつくることは難しい、私たちはそう捉えています。

その結果、不登校児童生徒が年々増加していると私たちは考えています。

元々仕事に家事に忙しい日々を過ごされている中、子どもが突然不登校になることで、さらに心に余裕がなくなる方も少なくありません。
「一生懸命子どものために頑張ってきたのに..」と嘆く保護者の方にもたくさん出会ってきました。

家庭だけでどうにかしようと思わないでください。
私たちのような第三者に頼ってほしい、任せてほしいと思います。

フリースクールこらんだむは子どもたちの安心安全な居場所つくりに努めながら、子どもたちの心と体を育める場所です。
是非一緒に大切なお子様を育てていきましょう。

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